12月定例会一般質問報告3

住民の健康を守る、松戸の、そして東葛北部二次医療圏の医療体制充実
財政状況の硬直化を防ぐ、公営企業としての自治体立病院の経営改善
患者と働く人々の命を災害から守る一日も早い新病院建設の実現

市立病院建設検討特別委員会での協議が、
このような病院建て替え問題へ関わる本質的な課題の解決に基づいているのか否か?

本郷谷市長体制下の執行部から繰り返される不可解な進行、
不透明な検討案、ころころと変わるその内容。

市政報告会を開催する度、市民の皆様から厳しいご指摘を頂戴する以前に、
委員会へ配属されてまもなく一年にならんとする私であっても甚だ疑問であります。


以前より申し上げております通り、私の本業は建築屋のおやじです。

建設業のプロとして、新しく丈夫で機能も充実した魅力的な構造物が建ち、
人々が集い、活動が生まれるダイナミズムを愛さずにはいられません。

そのような私でさえ、度し難い迷走の果てに繰り出された
トップの個人的なプライドや政治的妥協による副産物の如き『腹案』なるものによって、
市内に残る貴重な緑地が失われてしまうことは、
松戸市の未来にとって、或いは人間として、本当に正しいことなのかどうか?

これが本シリーズ前回までの問題提起です。


通常、それが一度目の質問であれ再質問であれ、質問の事前通告に際し、
同じ質問事項内であっても答弁すべき内容が複数の部署に亘る場合、
「これは○○課から、こちらは○○課より答弁します」
という対応がなされます。

事実、今回本質問事項においても、
みどりと花の課と農政課という複数の部署それぞれより縷々ご答弁頂いております。

ところが今回は『千駄堀地区』について、答弁拒否に遭ったのです。
曰く、病院については「緑地保全関係の担当部署では答えられない」。

やりとりを通じて、「病院ではなく千駄堀地区の緑地保全について」質問している旨、
再三通告し、質問日前日にようやく答弁が決まるという経緯でありました。


最早、縦割り行政の弊害すら超えたこの異様かつ頑なな対応には、
さすがに私も質問を継続するべきか否か?逡巡したのです。

嫌がらせ、政治的圧力、恣意的な辱め…

現に、当選して初めての議会質問の際、
新人への洗礼!?のつもりなのか、それとも泡沫議員だからなめられたのでしょうか、
事前通告時の説明とはまったく違う内容の答弁をされた経験があります。


そこで私は質問日を前に、
あらためて『21世紀の森と広場』、そして『千駄堀地区』を歩きました。


3・3・7号線から望む斜面林

緑被率を俯瞰(ふかん)していただければ一目瞭然。
正式に記録されている松戸市の都市緑地の中でも、
大きな規模の自然景観を誇る市内に現存する希少な『里やま』からなる千駄堀地区。

かつての谷津田を望む「斜面林と農地」を有し、
当市における重要な自然環境保全区域とされる
『21世紀の森と広場』に隣接した借景でもあります。


斜面林の湛える湧水

緑地保全だけではなく、生態系及び生物多様性、治水、CO2、
ヒートアイランド現象対策などの環境保全はもちろん、
災害時には避難場所として、さらには湧水、歴史、文化という
お金では替えられない財産から、食育、松戸市農産物ブランド化、都市景観といった
自治体の新しい価値を左右する政策にまで影響をおよぼす宝物。


台地の畑から望む樹林 高圧線下に病院か…


夕暮に染まる台地の畑

景観、自然環境と住民生活の調和、
あるいは都市緑地法などの観点から千駄堀地区を守り、
地域住民や『21世紀の森と広場』を訪れる方々にいつまでも楽しんで頂き、
子どもたち、さらには、やがて松戸に住むであろう子孫へ
この豊かな『みどり』を残していくには
「どのような取り組みが必要であると考えますか?」
という私の質問に対し、

千駄堀地区の緑地を含む
「市全域の樹林は基本的にすべて保全対象である」
との、明確な答弁を執行部より引き出しましたことは、前回ブログにてご報告の通りです。

皆さまお気付きの通り、この保全対象緑地とは、
現在はまだひとつの案に過ぎないはずの千駄堀への移転建て替え構想案が進展すれば、
失われる危機に瀕している千駄堀の緑地であります。

細部に拘泥するあまり、
新病院建設という目標へのダイレクトな進行を忘れてはなりません。

しかし、ほかに候補地や建て替え可能な空間が存在せず、
「医療行政を行なう候補地としてベストである」という確証があるならともかく、
この夕陽の美しい畑をつぶし、湧水したたる斜面林を伐採することが、
21世紀の現代社会で許されるものでしょうか?

この質問後、開催された『市立病院建設検討特別委員会』にて、
千駄堀への移転構想案の内容が唐突に変わるという出来事が起きました。
次回は、その時に起きた重大な事件も含めて、起きた事実をご報告致します。



それでは今回も最後に、実際に行なった議会質問から、以下ご紹介致します。
平成23年9月定例会大橋ひろし一般質問発言より抜粋)

 これまでのところ、あらゆる場面で拝見している限り、
残念ながら本郷谷市長さんには本気で「地域医療体制を充実させよう」、
或いは「公営企業会計の収支改善を図り、市財政状況の硬直化を回避しよう」
という、強い信念があるとは思えないのです。

 それは、きっと私だけではありません。
有権者住民の皆さまより、私の開設致しました市民相談室へ同様の意見が寄せられています。
本日はぜひ、そのような不安を解消して頂きたく、
『病院経営健全化プロジェクト』とは、一体いかなるものか?お伺いします。

<つづく>